材料分析

こんにちは、材料ソリューション部の竹野です。
2016年10月19日に日本表面科学会主催の第62回 表面科学基礎講座(大阪大学 豊中キャンパス)にて、二次イオン質量分析法(SIMS)の講師を担当させて頂きました。
今回、大阪大学の豊中キャンパスを初めて訪れましたが、快晴の秋晴れも手伝い、紅葉前の銀杏並木をとても清々しく感じることができました。

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大阪大学豊中キャンパスの銀杏並木


表面科学基礎講座は、表面分析や界面分析の初心者や若手技術者を対象として、日本表面科学会が主催となり、毎年開催されている講座です(参加者は約40名)。今回は、特に飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS)を中心にした内容とし、分析の原理から取得できるデータの特徴、分析設備の構成、実際の分析事例などをお話しいたしました。
TOF-SIMSは、検出感度が高いこと、極表面(~2nm)の分析ができること、分子構造を検出できることなど、様々な特徴があり、非常にユニークな分析手法です。聴講にいらっしゃった皆様から、講演後に熱心なご質問やコメントを頂くことができ、改めて興味を引かれる分析手法だと感じることができました。
TOF-SIMSの詳細な説明については、こちらをご覧ください。

http://www2.panasonic.co.jp/aec/blog/analysis/2014/03/tof-sims.html



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講演中の筆者

有機薄膜デバイスの開発、表面の汚染トラブル、洗浄プロセスの検討、あるいは生体材料のイオンイメージングなど、開発や研究において材料表面にまつわるお困りごとをお持ちの方がおられましたら、もしかするとTOF-SIMSなどの表面分析手法で解決策が見つかるかもしれません。ご遠慮なく、弊社のホームページからお問い合わせください。

https://www2.panasonic.co.jp/aec/inquiry/index.php?to=analysis

微量分析担当の川原です。
車載製品の品質は自動車の安全性に直結するため、非常に高い信頼性が求められます。特にプリント基板では腐食、絶縁不良等の原因となるイオン残渣(イオンコンタミネーション)を少なくする必要があり、IPC規格(IPC-TM650 2.3.28  Ionic Analysis of Circuit Boards, Ion Chromatography Method )に基づいたプリント基板表面の清浄度評価結果が自動車メーカーから求められる傾向にあります。

プロダクト解析センターでは、バックグラウンドの低いイオン抽出法の確立、イオンクロマトグラフの改良を行うことで、精度の高いイオン残渣測定を可能とし、この度、IPC規格に基づいたプリント基板表面の清浄度評価サービスを開始しました。

IPC規格はプリント基板表面のイオン残渣をイソプロピルアルコール( IPA)と水の混合溶液で抽出し、抽出液をイオンクロマトグラフで分析することでイオン残渣の定性・定量を行う方法です。

車載製品におけるプリント基板清浄度評価に是非ご活用ください。

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■評価可能なイオン種

陽イオン:Li, Na, NH4, K, Mg2+, Ca2+
陰イオン:F, Cl, NO2, Br, NO3, SO42-, PO43-
有機酸 :酢酸, ぎ酸, メタンスルホン酸, コハク酸,リンゴ酸, フタル酸, アジピン酸*,グルタミン酸*
     *アジピン酸, グルタミン酸は高速液体クロマトグラフ(HPLC)で分析

車載製品はもとより、車載以外でもプリント基板表面のイオン残渣評価が可能です。
お気軽に下記ホームページよりお問い合わせ下さい。
http://www2.panasonic.co.jp/aec/analysis/index.html

SEM・EPMA分析担当の高橋です。
今回は、Cryo-BIB加工法についてご紹介します。

前回、複合材料の平滑な断面試料作製に最適なBIB加工法をご紹介しました。BIB加工法は、Arイオンビームが照射されている箇所の温度が約100℃まで上昇するため、耐熱性の高い試料の前処理には威力を発揮しますが、ソフトマテリアルを加工すると変形・溶融などの熱ダメージを及ぼすことがあります。
そこで登場したのがCryo-BIB加工法です。その長所は、試料を冷却することにより、熱ダメージを軽減できるところです。Cryo-BIB加工法を用いれば、耐熱性の低い試料でも本来の構造を観察することができます。


 

Cryo-BIB-1.jpg図1.芯鞘複合繊維のBIB加工断面SEM写真


一例として、芯鞘複合繊維(樹脂)の断面加工をご紹介します。通常、芯鞘複合繊維は鞘材料の方が芯材料より融点が低く、溶けやすい傾向にあります。この芯鞘複合繊維を通常のBIB加工法により断面出しすると、図1のように鞘材料が溶着し、芯材料を覆い隠してしまうために本来の構造がわかりません。
同じ試料についてCryo-BIB加工法により断面を出すと、鞘材料も溶けないため、芯材料-鞘材料の境界、また鞘材料同士の絡まり方など、本来の構造が明瞭にわかります。

 


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図2.芯鞘複合繊維のCryo-BIB加工断面SEM写真


Cryo-BIB加工法の対象サンプルを以下に示します。
  ソフトマテリアルを用いたデバイス
    ・Li電池セパレータ
    ・有機ELパネル
    ・燃料電池MEA
その他、機能性高分子膜など
このような試料の前処理や、観察、元素分析でお困りの方はご相談ください。

お気軽に下記ホームページよりお問い合わせ下さい。
http://www2.panasonic.co.jp/aec/analysis/index.html

分析解析サポートグループの竹野です。
以前のDynamic-SIMSのご紹介に続きまして、今回はStatic-SIMS(TOF-SIMS)についてご紹介します。


Dynamic-SIMSは、連続的なイオンビームを試料に照射して、スパッタリング現象に伴って発生する二次イオンを深さ方向に検出します。これに対して、Static-SIMSでは照射する一次イオン量が微量であるため、試料が破壊されることなく、試料表面の元素、特に分子情報を取得することができます。Static-SIMSの質量分析器として、現在では飛行時間型のものが広く用いられているため、Static-SIMSをTOF-SIMS(Time Of Flight - Secondary Ion Mass Spectrometry)と呼ぶのが一般的になっています。

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TOF-SIMSの原理図

 
TOF-SIMSの特徴は、何と言っても試料の極表面(~2nm程度)の有機物分子情報を取得することができる点です。データとしては、下図のような質量スペクトルを得ることができます。電極部の抵抗値が増加する傾向がある試料について、TOF-SIMS分析を行ったところ、不具合品からは電極の酸化を促進する有機酸物質が検出されました。

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TOF-SIMS 質量スペクトル


このような電極トラブルの他には、試料表面での撥水性異常、樹脂の劣化メカニズムの解析、製造プロセス中で付着した異物の解析などにも、TOF-SIMSは威力を発揮いたします。また、当センターではアルゴンガスクラスターイオン銃(Gas Cluster Ion Beam:GCIB)を使用することで、深さ方向での有機物情報も取得することが可能です。
ご興味がございましたら、下記のホームページよりお問い合わせ下さい。
http://www2.panasonic.co.jp/aec/analysis/index.html

 

分析解析サポートグループの吉川です。
二次イオン質量分析(Secondary Ion Mass Spectrometry)は、固体表面および薄膜中の不純物元素を、高感度に分析できる表面分析手法です。深さ方向分析が主な用途であるDynamic-SIMSと、表面構造分析が主な用途であるStatic-SIMS(主にTOF-SIMS)に分類されますが、今回はDynamic-SIMS(D-SIMS)についてご紹介します。


固体表面にエネルギー(数百eV~十数keV)を持った一次イオンを入射させると、スパッタリングに伴って、電子、中性粒子、イオンなどの様々な粒子が試料表面から放出されます。SIMSは、これらの粒子のうち二次イオンを質量分離して検出することで、試料表面の元素分析(同定、定量)を行います。

D-SIMSの原理図SIMSの原理図


SIMSの特徴は、

(1)高感度(ppm~ppb)な検出ができること

(2)水素からウランまでの元素が検出できること

(3)深さ方向分析ができること 

などが挙げられます。

得られるデータは、深さ方向プロファイル、マススペクトル、元素マッピングの3種類です。

D-SIMSの3つの特徴分析対象試料としては、固体試料(半導体ウエハ、チップ)の分析が可能です。金属や半導体といった導電性がある試料だけでなく、ガラスやセラミックのような絶縁材料も、付属の電子銃による帯電中和を行うことによって分析ができます。ただし、超高真空中で分析を行うため、試料自身から多量のガスが発生するものは分析に向いていません。
シリコン半導体や化合物半導体のウエハおよびデバイスについて、不純物やドーパントの分析に主に活用できますが、新規デバイス製造プロセスの汚染元素の評価にも活用できます。
ご興味がございましたら、下記のホームページよりお問い合わせ下さい。
http://www2.panasonic.co.jp/aec/analysis/index.html

材料分析担当の川原です。

全有機体炭素計(TOC計:島津製作所製TOC-LCSH)を導入し分析サービスを開始しましたのでご紹介します。本装置は水溶液中の有機物を有機体炭素量として分析する装置です。

 

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全有機体炭素計(島津製作所製TOC-LCSH)


水道水やミネラル水など飲用水の中に有機物が多く含まれていると味や臭いの原因となります。このため、水道水の水質基準には有機物の指標として全有機体炭素(Total Organic Carbon:TOC)があり、基準値は3mg/L以下と定められています。一方、モノづくりの分野では、部材から溶出する有機物が材料やデバイスの特性や歩留まりに影響することがあるので、部材溶出液中のTOC量評価が求められることが多くなってきています。


さて、水溶液中に含まれる炭素は無機体炭素(Inorganic Carbon:IC、主に炭酸イオンCO32-や重炭酸イオンHCO3)と有機体炭素(TOC、有機物)として存在しています。TOC計では全炭素(Total Carbon:TC(=IC+TOC))とICを別々に分析し、TCからICを差し引くことでTOCを算出します。また、ICを多く含有する試料に対しては、あらかじめ試料に塩酸を添加し通気処理を行い、ICをCO2として気化除去してから分析する不揮発性有機体炭素(Non-Purgeable Organic Carbon:NPOC)の分析も可能です。分析事例として水道水の測定結果を示します。

toc5.png水道水分析例 TOC濃度(TC-IC) 0.4mg/L

 

現在は主に自然水や部材等の純水溶出液の分析に適用していますが、めっき液やエッチング液など酸や金属イオンなど共存成分の多い試料についても適用が可能ですので、水溶液中のTOC評価でお困り事、ご相談等がございましたらお気軽にご相談ください。

http://www2.panasonic.co.jp/aec/analysis/index.html

材料分析の森本です。
レオメーターは、材料の粘度を測定する装置で、静的な測定と動的な測定の2つのモードの測定が可能です。塗料、インク、接着剤、ポリマー等の製造工程や品質管理、さらに性能評価などに有用な粘度、せん断応力および法線応力などの基礎データを得ることができます。今回は、一般的に活用されることが多い静的な測定について、コーンプレート型レオメーターを例にとって、測定原理を説明します。


はじめに、間隔hの2枚のプレートに液体を挟み、一方のプレートを固定して、もう一方のプレートを速度Vで移動させる場合を考えます。プレートに近い液体は速度が0であるに対して、上のプレートに近いところではプレートと同じ速度Vで動きますので、せん断流動が起こります。このとき、上下のプレート間の距離をhとすると、下記の式に従い、せん断速度γを算出することができます。


せん断速度 γ=V/h  (s-1)


上下のプレートをずらす力(流動を引き起こすために必要な力)がせん断応力です。このせん断応力をσとすると、σとγに比例関係が成立します。この比例定数は、流れに対する液体の抵抗であり、粘度ηと定義します。


せん断応力 σ=ηγ (Pa)


ana_20131101_01.PNG図1 せん断応力とせん断速度の関係


 次に、実測定装置の構造を説明します。図2に示すコーンプレートの表面速度は半径に比例しますので、外側ほど速くなります。一方、上下のプレート間の距離h'も外側ほど大きくなります。コーンプレートは、あるポイントでのプレート上の速度V'を上下のプレート間の距離h'で割ったせん断速度(V'/h)の値が、全く同じになるように設計されています。このようなコーンプレートを用い、遅い領域から早い領域へせん断速度を段階的に掃引させることで、高範囲のせん断速度でのサンプルの粘度ηを正確に測定することができます。

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解析センターでは、粘弾性測定などの物性評価も行っています。よろしければ、こちらもご覧下さい。
http://www2.panasonic.co.jp/aec/analysis/thermal-analysis.html
材料に関する困りごとがございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。ありがとうございました。

はじめまして。ナノ構造分析チームの高橋です。今回は断面試料作製に最適なBIB加工法についてご紹介させていただきます。


BIB(Broad Ion Beam)加工法とは、試料上部からArイオンビームを照射し、試料直上に設置した遮蔽板の端面に沿って平滑な断面を作製する加工方法です。CP法(Cross section Polisher)と呼ばれることもよくありますが、これは最初に普及した日本電子株式会社製のBIB加工装置の商品名に由来するものです。
下図は、実装プリント基板のBIB加工断面のSEM像です。金属層、エポキシ樹脂層、ガラス繊維の硬さの異なる複合材料でも、平滑な断面作製を行うことができます。


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プリント基板の断面SEM像
(試料作製:BIB加工法)

【特徴】
・複合(柔-硬)材料でも良好な断面作製 が可能
・数~数百ミクロン領域の加工が可能
・加工歪みが少なく、グレインの観察が可能
・熱ダメージに弱いサンプル(樹脂など)は冷却加工によりダメージ軽減

 

【対象サンプル】
 電子デバイス
   ・光ディスク(Blu-Ray)
   ・電池の活物質、セパレータ
   ・燃料電池のMEA
   ・半導体デバイス LEDチップ
 その他 デバイス・材料 実績多数

 

また断面加工だけでなく、平面からのフラットミリング加工も可能です。
下図のような研磨キズがたくさん入った試料でも、

 

bib2.jpg機械研磨試料のSEM像

 

試料を回転させながらBIBを少し角度をつけてミリング加工を行なうと研磨キズがなくなり、合金層がレリーフのようにはっきりと確認しやすくなります。

 

bib3.jpgBIBによるフラットミリング加工試料のSEM像

 

このような断面作製の他、試料前処理でお困りの方はお気軽にご相談ください。

材料分析についてはこちら
http://www2.panasonic.co.jp/aec/analysis/index.html

分析解析サポートグループの仲井です。
当センターでは、試料の硬さ測定のために、マイクロビッカース硬度計とダイナミック硬度計を保有しています。今回は、マイクロビッカース硬度計についてご紹介します。

 

マイクロビッカース硬度計.jpgマイクロビッカース硬度計

 

正四角錐のダイヤモンド圧子を試料に押し込み、その時に生じたくぼみの表面積が対角線の長さd1、d2から算出できます。押し込み荷重をくぼみの表面積で割った値が、「ビッカース硬さ」です。

 

ビッカース.jpg上図の測定例は、ステンレス板、銀板、アクリル樹脂板のビッカース硬さを測定したものです。一般的に、ステンレス板が最も硬く、アクリル樹脂板が最も軟らかいですが、これらの硬さを数値的に表すことができます。
また、母材が同じ材質であっても、表面処理の種類や条件によって硬さが異なる場合がありますので、その状態をビッカース硬さで数値的に比較することもできます。

さらに、マイクロビッカース硬度計では、小さな荷重をかけることができるため、微小領域や薄膜(ICのボンディングパッド、コーティング膜、めっき膜など)の硬さ測定も行うことができます。

お問い合わせの際は、下記のホームページよりお願い致します。
http://www2.panasonic.co.jp/aec/analysis/index.html

当センターでは表面分析として、 X線光電子分光分析(XPS)、オージェ電子分光分析(AES)、二次イオン質量分析(SIMS)、飛行時間型二次イオン質量分析(TOF-SIMS)といった手法を用意し、お客様のご要望に沿った表面情報のご提供に努めています。
表面分析は、数nmのごく浅い表面に存在する元素やイオンの情報を調べる手法ですので、大気中で汚染や変質が起きやすいサンプルについては注意が必要です。
トランスファーベッセルは、汚染や変質からサンプルを守って分析装置内に導入するためのツールです。例えば、酸化されやすい金属や水分で変質しやすい材料は、グローブボックス中でサンプリングを行ってからトランスファーベッセルに入れると、大気暴露せずに分析装置内へ導入することができます。

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在、当センターでは、XPS、AES、TOF-SIMSで、トランスファーベッセルを使用することができます。電池の電極材料、プラズマ処理による表面状態変化、剥離界面状態などの分析時に活用できます。
どうぞお気軽に下記ホームページよりお問い合わせ下さい。
http://www2.panasonic.co.jp/aec/analysis/surface.html

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